ナイロビ。
治安の悪さで有名なケニアの都市。
何でこんな危険な場所に来なければならないのか。
安全安心を第一義とする旅に相応しくないのではないか。
直前になって身震いしている次第です。
計画していた時点では治安のことは頭になく、
単にケニアはコーヒー豆あるじゃん!いいじゃん!
くらいの気持ちで決めていました。
過去に戻れるなら自分の頭をひっぱたいて説教しているところですが、
そんなわけにはいかない上に旅程の変更は1万円(税抜)もしちゃう。それは嫌だ!
ということでナイロビに渋々降り立ちました。
初日と二日目はアムステルダムでも活用したトラベロコで、
現地在住の日本人に宿泊のサービスをお願いしてあります。
空港を出てビクビクしながら手配してもらったタクシーの運転主と落ち合い、
ホストのお宅へと向かいます。
到着したマンションには大きな門扉と警備員。
警戒厳重。
ヤバい気しかしません。
やっぱ来るんじゃなかった。
とは言え来てしまったものはしょうがない。
とりあえずホストと挨拶を済ませ、
用意して頂いた晩ご飯のKFCのチキンを平らげます。
どうか…どうか、これが最後の晩餐になりませんように…。
と祈りながら就寝。
ケニア2日目。
今日はホストが屋台を出すケニア日本人会の手伝いです。
お誘い頂いてイカ焼きの手伝いをすることになりました。
飲食業を生業とする身としては断る理由なんてありません。
学生時代に吉野家で大車輪の活躍をした腕を見せる時が来たわけです。
昔とった杵柄。
まさか、ここナイロビで披露することになろうとは…。
どうか…どうか、これが最後の杵柄披露になりませんように…。
と、祈りながら会場の日本人学校に到着。
準備をして時間になったところでイカを焼き始めます。
担当は仕上げの炭火焼き担当。
板前の修業をしたこともないのに任される焼き方…
牛丼を作ることしか能のない僕に果たして務まるのだろうか…。
というのは杞憂でした。
見事な手さばきでバッタバッタと、
イカを焼いて焼いて焼きまくりました。
あまりに集中していたからでしょうか、
何かいつもと違う自分になった感覚。
これが所謂ゾーンとかいうやつなんでしょう。
まさかイカ焼きでゾーンに入れるとは思いもよりませんでした。
うっかりゾーンに入っていたために、
炭焼き中のイカを撮影するのを忘れてしまいました。
代わりに途中から焼き始めた大根の写真を載せます。
ちなみに、この大根は日本人学校の生徒が栽培して販売したものです。
購入した後に間髪入れずに商品にするホストの商魂魂は見習わなければ。
そして味はめちゃ美味い。
イカ焼きのタレで作った大根炭火焼き。
お勧めです。
さて。
10Kgのイカをやっつけてお手伝いは終了。
その後はお疲れ様のカフェタイム。
ホストお勧めの「Matbronz」へ。
敷地内に入ると並ぶブロンズの動物像。
動物というには進化し過ぎた感じの動物も交じっていますが、
だいたいはサファリに棲息する動物です。
まるでケニアのサバンナに居るような感覚。
こ、これが噂に聞いていたサバンナか…。
といった感じで、どっぷりとケニアな世界観に入ってしまったので、
翌日から予定していうるサファリへの興味が薄れてしまいました。
もうサファリは味わったから危険なケニアから去りたい。
そんな弱気な気持ちになりながらも、とりあえずは注文です。
サファリをキャンセルするかどうかを決めるのは一息ついてからでも遅くない。
そして注文したのはアイスコーヒー。
ではなく、実際はジュースを注文してます。
写真はインスタ用に一緒にお手伝いした方から拝借したもの。
頼んだスイカオレンジジュースは速やかに飲み干しまして、
ケニア調の店内を撮影しに行きます。
タオルかけ。
お手洗い。
窓格子。
これはもう、サファリそのもの…。
そうだ。サファリ、キャンセルしよう。
と思ったんですけどキャンセル料取られるかもしれないので、
予定通りサファリは行くことにします。
命は大切だけどお金も大切だかんね。
夜は大根をふんだんに使ったホストお手製の日本料理を頂いて、
どうか…どうか、これが最後の晩餐になりませんように…。
と祈りながら就寝。
サファリに行く前に犯罪に巻き込まれるのか…。
はたまたサファリのライオンの餌になるのか…。
その結末は神のみぞ知る。