昨日は美味しい食べ物の数々で力を蓄えました。
ディナーでは口の中でモサモサモサモサするコロッケとの死闘を繰り広げ、
思いがけず蓄えていた力と唾液を奪われる事態になってしまったのですが、
全体的には良い感じの一日を過ごすことができました。
今日はパワースポットで力を蓄えるべく、
パワースポットとして有名なモンセラットに向かいます。
朝イチで乗り込むべく早起き。
乗り継ぎが上手くいかないトラブルがあったものの、
あまり混んでいない時間に到着。
団体の韓国人観光客に囲まれてケーブルカーで山の上まで移動します。
良い眺めです。
パワースポットの影響でしょうか?思わずヤッホー!と叫びたくなります。
さすがパワースポット。何かがみなぎってくる気がします。
ちなみにモンセラットはパワースポットとしてよりも、
黒いマリア像があることで名が通っています。
像に触って願い事をすると叶うらしいです。
すごい。スペインのビリケンさん。
とりあえず混み合うまでに教会へ。
既に30人くらいの列ができています。
暫く待ってから遂に黒いマリア像とご対面。
「世界の人たちが穏やかに過ごせますように。アーメン」
僕はできた人間なので私利私欲のお願い事はしないんですね。
この後は近くのカフェテラスで少し休んでから再びバルセロナへ。
お腹が空いていたのでチェックしていた「THE FISH&CHIPS SHOP」へ。
店内もビールの容器もお洒落です。
料理もお洒落に提供されます。
そして肝心の味なんですけど、めちゃんこ美味い。
燻製した白身魚にカリカリの衣…。
ポテトはカレー風味…。
これはフィッシュ&チップスの大革命…。
といった感じで大満足のランチ。
ここで更にパワーをチャージ。
もう向かうところ敵なし。
万能感に浸りながらとりあえず地下鉄で移動します。
初めての路線だったのでホームの路線図を眺めていたら、
親切なお兄さんが話しかけてきて教えてくれました。
優しい…けど完全に把握しているので必要ないんだなぁ…。
問題ないからと言うのに何度も教えてくれます。
くどいので椅子に座って寛ごうと思っても、
「バルサ、バルサ」
とサッカーの話題に。
さすがに面倒臭いなぁ…と思っていたところに電車が来たので乗り込みます。
そのお兄さんも乗るかと思ったら、
何故か乗ろうとしている老婆を引き留めて電車に乗らず。
「???」
と疑問符を頭から噴出させながらリュックを下ろそうとしたら、
何ということでしょう!リュックのチャックが開けられているではありませんか!
案の定財布が跡形もなく消えています。
探せども探せども財布はありません。
わな、わなわな、わなな…
体がわなな状態に。
絶望。怒り。後悔。
色んな気持ちが渦巻きます。
「黒いマリア像に何を祈ったっけな…?」
世界の人々が穏やかに過ごせますようにと、そう祈ったはず。
念のために言っておきますが、
ネタじゃなくてガチで祈っていました。
スリの振りっぽいのでフィクション感があるのですがノンフィクション。
そしてスリもノンフィクション。
いつまでも、わなわなしているわけにはいかないので次の駅で下りて走って戻ります。
さっき飲んだビールが応えますが急いで戻ります。
一縷の望みを託して地上で犯人を捜しますが見つかるはずもなく、
とりあえず駅員さんに事情を話すと警察署のある駅まで行きなさいとのこと。
その後は手続きに追われ、心が千々に乱れる一日。
手口としては一人が話しかけている間に、別の人が後ろから盗るスタイル。
今回は多分、老婆が実行犯でしょう。
いつもはリュックのチャックにロックをかけているのですが、
この時は油断していてそのままにしていたんですね。
これはもう自業自得というか、起こるべくして起こったアクシデント。
と、同時に手口の巧みさには舌を巻くばかり。
座っている時に老婆の気配すら感じませんでした。
苦い経験ですが勉強と思うしかない。
ちなみに授業料は€700。お高い!
クレカはもちろん、キャッシュカードと、
空港のラウンジに入れるプライオリティ・パスも消えました。
クレカは予備があるものの、現金を引き出せない状況になり、
地味にラウンジを使えないのが辛かったりして、かなりの損失。
今までもたまに症状が強くなっていたホームシック。
今回の件で症状は過去最悪。
今までのグルメで蓄えたパワーも0。
パワースポットで得た力も散り散りに。
2時間かけて訪れた教会での祈りも届かない。
財布と一緒に消えたスペインへの愛。
さようなら、大好きだったスペイン。