リヨンの薄い旅日記~雑記中の雑記~

リヨン!

と声高に叫んでみたもののリヨンらしい思い出は薄い。
というのも、ある思い出が強烈過ぎて、
リヨンらしい思い出が一気に色あせてしまったんですね。
その思い出はゲストハウスで起きました。
泊まったのはオシャレなゲストハウス。
使い勝手も良く寝室も広々。
これは良い感じだな、と。
快適に過ごせるやん、と。
自然と眠りに就いていました。
恐らく深夜でしょう。
近くで突然大きな音が。
2段ベッドの2階の女性が帰ってきて、
収納ボックスを開けている模様。
ボックスは僕が寝ている1階のベッド下にあるので、
音も振動も激しく伝わってきます。
時間も時間なので本当ならイラっとするものの、
スリランカで悟りを開いた僕は仏の心でスルー。
再び心地よい眠りに入って行きました。

そんな心地良さも長くは続きませんでした。
上から聞こえてくるヒソヒソ話。
どうやら彼氏とお話している様子。
彼氏を共同部屋に連れ込むとは良い度胸しとるやんけ…、
と本来ならマリオよろしくジャンプして2階の敵をやっつけているところですが、
悟りの境地に達している僕は笑顔でやり過ごします。
暫く続くヒソヒソ話。
佳境を迎えたかな?彼氏はそろそろ帰るのかな?
という雰囲気を醸し出すも、まだ帰らない。
そんな波を幾度か繰り返しているうちに、
僕は再び心地よい眠りに入って行きました。

2度あることは3度ある。
眠りを妨げられること3度目。
皆さんの期待に応えてくれましたよ。
今回は待ちに待った喘ぎ声でございます。
彼氏を連れ込んだ挙句、控えめながらも喘ぎ出す鬼の所業。
この旅一番の孤独を僕に味合わせるという無慈悲な情事。
と、本来なら悔しさと切なさと羨ましさで唇を噛みしめ、
赤い鮮血が滴り落ちるところなんですが、
悟っている僕の心はさざ波一つ立つことはありません。

「愛、だね…」

僕は心で呟いて、ピースフルなマインドのまま再び眠りに…、
就こうとしたらベッド揺れ出したやん。
控えめやけど揺れてるやん。

「お兄ちゃん…何でベッド揺れてるん?」

節子風に自問自答します。
リズミカルな動き。
抑え気味の喘ぎ声。
導かれる答えは…ただ一つ…。

「アモーレ、やね…」

ほほ笑みながら僕は目を閉じて再び眠りに就きました。
翌朝、シングル2段ベッドから降りてきた彼女と顔を合わせたのですが、
何だかよそよそしい感じ。
前日は笑顔で挨拶を交わしたのに、
何でだろうな~?おかしいな~?と考えてみたんですけど、
そりゃ彼氏連れ込んで周りの迷惑考えずにエッチしてたらそうなるわな!
という答えを速やかに導き出しました。
そして苦々しさと怒りと激しい羨ましさで唇を噛みしめ、
黒く渦巻く心から逃げるようにゲストハウスから飛び出します。
晴れない心を引きずって高台から眺めるリヨン。
もう二度と来るまいリヨン。
せっかく開いた悟りが閉じたリヨン。
オ ルヴォワール、リヨン。

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